ギター入門〜選び方と弾き方〜

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譜面通りじゃなくてもその曲は成立する

ギターで何かの曲を「コビー」しようとする際、「TAB譜」を参考にすることが一般的でしょう。TABには各楽器毎に「理屈抜きで」どのような演奏をしているのか、どのような運指なのか、が記されています。この通りに演奏すれば、その曲を「再現」することが出来ます。
ですが、実はこのTAB譜で曲を覚えることはあまり「音楽的」ではありません。
曲には本来定められた「キー」があり、その中の構成音を中心に和音もメロディーも構築されています。そして、タイムラインに込められた”コード”は、押さえ方は1つではありませんし、そのタイムライン上の「拠り所」と呼ぶべき和音の名称です。極端なハナシをしてしまえば、別に「TAB譜の通り」に演奏しなくても、その「曲」は成り立つのです。
ギターのフレーズが少し違ったとしても、ドラムのリズムが少し違ったとしても、テンポを極端に変えても、その曲が「その曲である」というラインを崩さない限り、成り立つものなのです。
そうすると、自分たちの楽器の演奏が、奏でている音楽が、一気にその世界を広げます。
ただ、そのように「自由に」弾くためには、「音楽になる」という基準、拠り所が必要です。それが「キー」であり「コード」であり、そのメロディラインの持つ「意味」だったりするのですが、この感覚はTAB譜では味わえないのです。TAB譜は、そのコードが何であれ、「その通りに押さえればその音が出ます」という説明書です。コードの知識がなくても、キーに関する知識がなくても、再現出来てしまうのです。これは応用の効く創作的な演奏とは、残念ながら言えません。人のプレイの再現です。
譜面に忠実でなくても、「音楽的に」間違っていなければその曲は完成します。ですが、その「音楽的に間違っているかどうか」という部分は、半分理屈であり半分感覚です。それを理解するためには、TAB譜で弾いていても自分がどのような演奏をしているのか、音楽的なポジションを意識しながら演奏することが大切です。
TAB譜の恐ろしいところは、そのように「とりあえず弾ける」という状態を作り出すことにあります。ですが、「とりあえず」の状態では「音楽」ではなく「作業」です。
もしかしたら耳にしたことがあるかもしれませんが、「カバー」という言葉があります。それは、その曲を自分のものにして自分の音として再構成することです。そのためには「音楽的な」素養が必要です。その素養は、理屈だけではありません。
ギターを鳴らすことは、実はたやすいことです。実は、自分の音として、自分の音楽として理解することは、ただ索くりも何倍も難しいのです。そのことを頭に入れつつ、「音楽」としてギターを演奏していただきたいものです。ただなぞるだけではなく、音楽を自分のものとして解釈し、再構築してアウトプットするのです。

 
 
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